読了メモ ~ゾーン 「勝つ」 相場心理学入門~

本記事は私が読んだ本の意訳です
私が読んで、理解して、噛み砕いて、なんとか言語化したものです
文章が整っていなかったり、整合性が取れていなかったり、本当に筆者が言いたいことを置き去りにしている可能性があります
 
その点をご留意いただき、興味が湧いた方は、ぜひ紹介図書を読まれることをおすすめします
 
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【タイトル】
ゾーン 「勝つ」 相場心理学入門
 
【所感】
噛み砕くのにとても苦労をしました
1度読んだだけでは、あまりにも難解で抽象的な議論に頭が追いついていかず、難儀したのを覚えています
 
ですが、その分、得たものはあったのかなと言う印象です
この本がもともと投資を題材にしたものだったので、その他の分野では活かせないようなものなのかなと思っていましたが、そんなことはなかったように思えます
 
むしろ、この本のコアは「予想のできないものに対してどう向き合うか」、「目標(願望・信念)へ向けてどう取り組めば良いか」を論じており、投資をやらない人にもえるものが多い読み物なのかなと思います
 
ただ、内容の理解にとても時間と体力が必要で、投資をしている方からもこの点から敬遠されているのだろうなとも推察されます
 
まあ、少なくとも、自分には実りのある読書期間になりました
 
【意訳文】
相場はこの世のどれよりも創造的自由に富んでいる
人はその自由さに引かれるが、相場に対する自身の規律を重んじる態度との矛盾に苦しみ、のまれ、やがてその多くがこの荒野を退場してしまう
 
この本は、そんな荒野の踏破に必要な自身のコンパスを確立するための本である
 
ゾーンとは、自分の努力に対して前向きな結果を期待する姿勢である
スポーツにも言えることだが、マーケットで勝つために必要なのは知識ではなく、この正しい姿勢である
正しい姿勢を身につけないから、多くの者がマーケットから負け去っているのである
 
ただ勝つことは初心者にもできる
むしろ、恐怖心や危機感を非現実のものと考え、判断から分離できる初心者は幾ばくかの経験を積んだだけの勝者よりもゾーンの理想系に程近いと言える
ただし、それは多くの場合、恐れを抱かせるような苦痛をトレード活動から経験していないことを背景としている
 
だが、しかし、マーケットにはトレーダーが考慮できる材料が無限にあり、毎回正解することなどあり得ない
そのときに問われるのが、「マーケットに参加している限り、損失は避けられないという信念」と「全ての行動、利益、損失、結果、これから先に学ぶ全てのことは、マーケットが招いたものではなく、自分で招いたものであり、トレードから発生する苦痛をも自分の責任であると完全に自覚し、受け入れる姿勢」である
 
多くの間違ったトレーダーは、トップトレーダーも自分と同じく、マーケットのリスクを恐怖し、それでもなお強靭な精神をもってリスクという苦味を飲み込んでいるのだろうと勘違いをしている
けれど、それは思い込みに過ぎない
トップトレーダーはそもそもリスクに恐怖をしない
ただ、自然体に、リスクを受け入れ、ミスを受け入れ、次に進むのだ
恐怖をしないのならば、精神力などつゆ程も要らない
回避などももちろんしない
ただ、トレードに抱く希望や幻想はなく、変化したマーケットに対応するだけである
多くのトレーダーが身に付けるべきは、ただ流れに対応する一貫した姿勢である
 
マーケットの示す機会の流れを認知し、過去の失敗に屈せずに、一貫した対応を保つためには、マーケットからの情報に痛みの投影をしないよう、意識的に連想プロセスを制御する必要がある
マーケットに根を下ろし、いくつかの経験を経たあなたは、マーケットが示す情報に過去の失敗で受けた痛みを関連付けしてしまいがちである
しかし、マーケットから示された情報は、情報でしかない
それを受け取った自分自身が、勝手に解釈を付け加え、痛みを感じてしまうのである
そのことを本当の意味で理解し、受け入れることが必要である
 
マーケットでは常に何事も起こりうる
それはマーケットには無数のトレーダーの思惑が蠢いており、自分の思惑の枠外で、彼らの手が動いているからである
優れたトレーダーはそのことを常に了解しており、マーケットの動きに耳を傾け、システム的に売買を行っている
 
多くの一般的なトレーダーが勘違いしているようだが、優れたトレーダーは常にトレードに勝利できているわけではない
優れたトレーダーは確率的思考をもとに、目の前のトレードに取り組んでいる
つまり、今、目の前のトレードに対して、常に勝利を確信して仕掛けているわけではなく、もっとマクロ的な視点で、時間と試行回数が自分の十分な優位性を示すことを確信して、トレードに取り組んでいるのである
 
マーケットには5つの根本的真実がある
1.何事も起こりうる
2.利益を出すためには次に何が起こるか知る必要はない
     ただし、以下は知っておくべきである
     ①トレードを仕掛ける前に、勝算が自分にあると知っている
     ②トレードが機能していると判断するまで、いくら費やせるか知っている
     ③そのトレードで利益を出すために、次に何が起こるか知る必要はないと知っている
     ④何事も起こりうる
3.優位性を明確にする一定の可変要素において、勝ち負けはランダムに分付する
4.優位性があるとは、あることが起きる可能性がもう一つの可能性よりも比較的高いことを示しているにすぎない
5.マーケットのどの瞬間も唯一のものである
これらを完全に受け止めたとき、同時にトレードのリスクも受け止められたと言える
その時、マーケットの情報を苦痛とは解釈することはなくなり、今まで学んできたあらゆる優位性を感じ取れるようになり、また、以前は認識できなかった他の優位性も発見できるようになるだろう
重ねて述べるが、これらは単にいくつかの短期トレードで勝利をするためならば全く必要がないものである
ただし、あなたがトレードをすることで安定した収益を得たいのであれば、これらの根本的真実を受け入れ、自らがマーケットに恐怖を投影してしまわないようにする必要がある
 
信念について話そう
信念とは、ある事象、命題、言説に対して、それを正しいと承認し、受容する態度である
例えば、多くのトレーダーは株価に対し、期待と信用を乗せ、トレードに望むだろう
一度、大暴落が起き、自分が期待と信用を乗せていた株がただの紙切れになったとき、そのトレーダーは何を思うだろうか
絶望、焦燥、自己卑下、if-else、etcetc…
それらの感情が綯い交ぜになり、多くの場合、トレードが自分から輝かしいものを奪ったと、絶望と嫉妬にまみれて、トレードという魔王から撤退するのでは無いだろうか
けれど、果たして、それは正しいだろうか
私が述べたいのは、撤退が悪であると述べたいのではない
その前だ
大暴落に巻き込まれないようにしなければならない?
違う
リスクヘッジを適切にするべきだった?
違う
もっと前だ
その前提条件だ
なぜ、トレードに対して期待と信用を乗せてしまったのだ!
先にも述べたとおり、トレードでは、何事も起こりうる
そのことを真に理解し、受容し、確率的思考のもとに、マーケットの声に耳を傾けながら、優位性のあるトレードに臨むのだ!
トレードに対して抱いていた期待と信用は、自らの信念をもとに、トレードへ投影していた感情に他ならない
その感情は状況と信念に左右され、例え、どんな事象でも、その信念一匙で、プラスのイメージにもマイナスのイメージにもなりうる
トレードには、そんなものはいらない
チャートが上がると示せばそれに乗り、下がると示せば波から降りれば良い
信念は的確に、執拗に排除しなければならない
 
信念は構造的エネルギーと言える
各信念は独立しているように振る舞い、形を変えようとするあらゆる外力に抵抗する
そして、それを意識的に認知しなくても、機能し続け、我々をたびたび困らせる
例えば、子供の頃に親から「言うことを聞いてれば、・・・」なんて言われた子には、「私は自ら考えて行動してはならない」という信念が宿りかねないし、一度宿ってしまえば、表面上取り繕っても、その信念は機能し続けるだろう
そして、全ての信念は表現を求め、さ迷うため、その事により、自分が望まない結果や行動を招く危険性もある
トレーダーに宿りうるマーケットへの復讐の信念も同様に、上手く取り扱わなければ、思い描くような満足な結果は得られないであろう
では、これらの望まぬ信念をどう取り扱えば良いのだろうか
エネルギーを望まぬ信念から抜き出して、別のものに注入すれば良いのだ
それは、幼い頃、自分がサンタを信じていたことを思い出せば、合点が行くかもしれない
幼い頃、あなたは混じりっ気の無い信念として、「サンタは存在する」と信じていただろう
もちろん、現実には、あるどこかの点でサンタは居ないと知らされる
すると何が起こるか
最初は「サンタは存在しない」という初めて触れる信念と自分が持つ「サンタは存在する」という信念が対立し、自分の信念が脅かされたと抵抗もするだろう
ただ、そこから、知識を蓄え、理解を重ね、「サンタは存在しない」という信念が、元々持っていた「サンタは存在する」という信念を破壊するものではないと受け入れられたとき、エネルギーの移転がなされる
今のあなたには、幼い頃から持つ「サンタは存在する」という信念はまだ残っているはずだ
しかし、およそその信念にエネルギーは残っていない非活性な状態だろう
あなたが、新たなる信念を理解し、受け入れたことで、別の信念への移し変えることが可能になり、結果、元の信念の非活性化に成功したのである
では、それを移し変える器はどこで手に入れれば良いのか
その鍵は、創造にある
私たちは、日々を生きている中で、自分の意図、目的、夢、意欲、願望とは矛盾する信念との出会うこともある
その際、どうするのか
私は、私たちに、自分の信念に対して、思考を巡らせて、その信念を懐疑し、理解しようとし、受け入れようとする、そんな創造的思考が出来ると信じている
その懐疑と理解と受容のプロセスによって、新たな信念の器が形成され、元あった信念を壊すこと無く、エネルギーの移管と信念の非活性化が完了されるのだ
 
まず、あなたが行うべきなのは、
「私は一貫した成功を納めるトレーダーである」という信念を確立することである
そのためには、
・「一貫した成功を納めるトレーダー」になりたい、という願望
・目標に対立する信念を非活性化し、そのエネルギーを願望となる信念へ移すための努力
が必要である
 
願望は、目標に対する新たな信念を形成する
願望への執着が強ければ、より出来上がる信念のフォースは強くなり、後に説明する自己規律を保つ助けになるだろう
 
目標への努力を続けるためには、一貫性が必要である
一貫性を保つコツは、「ミスをした」ときの捉え方と自己規律を設けることである
「ミスをした」という行為は、自分の成長と向上のために、精神集中すべきところを指し示す糧として捉えるべきである
そうすることで、
・「ミスをした」際に、自己卑下などのマイナスの信念を非活性化させられる
・同時に、「ミスをした」ことは、自分がどうすれば成長出来るかを示す材料である、というプラスの信念にエネルギーを移せる
 
自己規律は、それによって定めた行動を行うことで、願望によって形成した信念と同一方向の経験を積ませることができ、信念の育成に繋がる
また、自己規律は、信念へ再度、自分の集中力を目標に方向付けるためにも役立つ
これは、先に述べた信念への執着にも関わり、非常に重要なものである
 
これらによって、
・際限の無い環境で行動するために必要な自己信頼を築く
・売買システムの完璧な執行を学ぶ
・確率で考えるように心を鍛える
・トレーダーとしての一貫性に対して強くゆるぎない信念を確立する
ことができたあなたは、
機械的段階』を乗り越えて、主観的段階、直感的段階へと進む準備が整ったと言えるだろう
 
本書では、これ以降の段階(主観的段階、直感的段階)については語らないが少しヒントを送ろう
・主観的段階では、なんでも出来るようになる分、ミスをする可能性を監視する必要がある
・直感的段階はトレーダーとしてもっとも進化した段階であるが、なろうとしてなれるものではない
私が唯一知っている直感的になろうとする方法は、自分の直感的衝動を最も効果的に察知し反応できる心理状態を設定することである
 
 
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以上、ここまで読んでくださり、ありがとうございました
 
この先も、気が向きましたら、読了した本についての意訳や所感を載せていこうかなと思います
 
また次回